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去年の空で観た話

『Ghost in the Shell』
 人間たることの証明として、選択する権利(同意するかしないか)が全面に出されている。同意は必要ないと押しつけること=殺人。この思想は権利を勝ち取ってきた西洋的なものかなと思った。
 肉体を持っていた頃の家族や、恋人(?)とのエピソードがメインに置かれているように見えた。そのせいで、後半になるにつれて「その孤独をあなたは知らない」という台詞が薄まってしまう。押井作品は顕著に、そしてアニメ甲殻機動隊も、孤独は決して過去の関係性によって埋められなかった。(SACしか観てないので、2ndは違うのかもしれないが。)「記憶ではなく、いま何をなすべきかが人を決める」と言いながら結局、かつて肉体を持っていた頃の関係が人間性や存在を保証するんだよ、みたいな作りに見えて腑に落ちなかった。
 例えば水に潜るシーンひとつとっても、アニメがそれこそGhostの深奥を覗くような印象的なシーンであるのに対し、実写版は映像がきれいで「怖い」という台詞が浮わついた薄っぺらいシーンになってしまっているように感じた。全体的に押井作品からビジュアル流用してもっとCGきれいにしましたよーという感じで、思い返してもあまりいい印象がない。
 素子の名前が出てきたときは鳥肌立ったけど。そうくるかーって。
 吹き替え版の声優陣がいつものメンツで安心感があった。ちょっとずるいと思う。
 ビートたけしは最初どうなの、と思ったけど銃を撃つとやっぱりかっこよくてずるい。見て、あれが銃撃も跳ね返すジェラルミンケースよ!

『セトウツミ』
 ゆるい! 嫌いじゃないけど映画館で観たら後悔しそう。

『インセプション』
 導入部で全く説明のない不親切な脚本が好みだった。ラストはお約束なんだけど最後まで見せないのが後味悪い。
 行って帰るを入れ子にして、さらに矛盾なく組み立ててあるのはよくできていると思う。映像もどうやって撮ったんだかわからないものがいくつもあってすごいなーと思うんだけど、どうも盛り込みすぎ感が否めない。仕掛けがありすぎて観ていて疲れた。
 めでたしめでたしかもしれないけど、結局どうやったのか描かれてないのが気になる。明らかに車と一緒に沈んでたじゃん。
 奥さんは名演だと思った。怖かった。

『Rogue One: A Star Wars Story』
 悲しい結末が分かっている物語は観ていてつらい。それでもその中で美しいものは確かにあるのだなと思う。STAR WARSシリーズのドロイドたちは味があって好きだ。

『ダンケルク』
 水と船が怖くなった。空襲が来たらその場にうずくまるしかないのだ、という事実に愕然とする。恐怖を煽る音響効果が抜群で、見終えた後も耳に残った。夢に出そうだ。異なった視点で時系列を交錯させて描くのは面白い。


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