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    『紙魚はまだ死なない』

     特設サイトはこちら→『紙魚はまだ死なない - リフロー型電子書籍化不可能小説合同誌』
     BOOTHで購入し、こんなご時世にもかかわらずむちゃくちゃ早く発送いただきました。読むのが遅くなってしまって申し訳ないくらい。
     まずは個別の感想を。ネタばれあります。

    ・春霞エンタングルメント/cydonianbanana
     一作目から最高かと。段組によってここまで精緻な表現が可能なのか、段組を見ただけで心動かされることがあるのかと驚きました。同時進行かと思いきや四十分の時差とかトリッキーにもほどがある。あと中段がいい仕事してる。二人のやりとりに挿しこまれる叙情、補完される世界観、二人の背景。○○の人のくだり、好き……。不穏な流れからページ捲ったらトマパート途切れてるの見て泣きそうになったんだけど、寝てただけだったという。寝てるのかよ! そして読み進めるにつれ未知の世界が広がっていき、これぞSFの醍醐味だよなあという読後感。作者さんの別の作品との繋がりも見えて二度おいしい。

    ・しのはら荘にようこそ!/ソルト佐藤
     四部屋同時進行ミステリ(でいいのか?)。読み進めるにつれてぐいぐい引きこまれました。途中から左下を先に読んでしまうくらい左下が気になって仕方がない。結末、まんまとトリックに引っかかったし、最後の最後まで予想できませんでした。元ネタがほとんどわからない残念な読者……。いいかげんクトゥルフ履修しないといけない気がしてきた。

    ・中労委令36.10.16三光インテック事件(判レビ1357.82)/皆月蒼葉
     これ初見で一番敷居が高くて、予想通り途中までは全く頭に入ってこなくてどうしようかと思いました。半分くらい読んで画像とかオノマトペで爆笑して、ようやく舞台がわかってきて、わかってきたら途端に怖くなった。テクノロジーの進歩によって常識が変容して今何気なく使ってる言葉が差別用語になるの、本当に鋭いとこ突いてくる。私は取り残されていないか? 資料の作りこみが半端ない、SF舞台に社会問題提起、さらに初審から逆転してるの完成度高すぎるでしょう。あと個人的にペン蒸す画像で挨拶するセカンドさんたち胸熱すぎる。

    ・点対/murashit
     読みながらあまり使わない感じの脳味噌の使い方しました。熱出るかと思った。ステレオ。ぴったり合ったときの気持ちよさ。まったく詳しくないし言うと誤解されそうであれなのですが、ヒップホップを聞いてる気分でした。途中でメインの二人から聞き手に切り替わる瞬間の、反対側に広がるような感覚。延々と地の文なのもあってぬるって切り替わる。最後のページ、何の変哲もない内容なのに違和感がすごくて、三回くらい読み返しました。

    ・冷たくて乾いた/笹帽子
     意地を張って回さず読みましたが、何度も右ページをめくってしまいました。本誌のなかで一番感情移入した作品。メタっぽいんだけど実はメタでないのがよい。いやメタなのか? 実は結末がどうなったのかわかってなくて、心情的には一周回って冒頭に戻っていてほしいなとか、でも戻ってなさそうだなとか。読書それ自体が長い時間をかけて旅するみたいなとこあるなとか(お家に帰ってくるまでが遠足)。たぶん小説を書くこともそう。

    ・ボーイミーツミーツ/鴻上怜
     私はいったい何を読んでいるんだと思いながら読み進め、読み終わったあともよくわかりませんでしたが終始ニヤニヤしました。肉とのラブコメという発想が斜め上すぎる。スターウォーズネタで腹が捩れるくらい笑った。もしかしてこのWiki実在するのかとぐーぐる先生に聞いてみたりしましたが、私の知らない元ネタがたくさんありそうなことしかわかりませんでした(残念……)。


     全体の感想として、何を読んでいるのかわからない、未知の読書体験の連続でした(ほめてる)。
    「リフロー」という単語をこの合同誌を通じて知ったわけなんですが、正直申し上げますと私、「リフロー不可」を舐めていました。ゼロ年代にメフィストとかで流行した(個人的な印象です)改行位置やセンテンスの繰り返しや文字密度の調整で紙面を二次元的に見せるあれ、くらいの頭でいました。いやそれも嫌いじゃないしむしろ好きなんだけど、私が今まで触れた作品においてそういった視覚効果はあくまでも視覚効果であり、書かれている小説自体とは距離を置いたものでした。この作者はこういう作風なんだなとか、悪く言えばおまけ、お遊び的な印象が強かった。
     しかしこの合同誌に収録されている作品はどれも違っていました。まずリフロー不可にもいろいろなパターンがあり、収録されている作品がそれぞれのリフロー不可を表現されている。そして必然的にリフロー不可である、この形でしか表現しえないものばかりである。特に『春霞エンタングルメント』『点対』『冷たくて乾いた』では、「リフロー不可」を通じて「読む」という行為について問い直しているように感じました。読むという能動的動作――視点の移動、文字の認識、物語として脳内で再構築するという一連の動き――を、意図的に制限する、あるいは並列化することによって強く意識させている。そしてその動作がそれぞれの小説の内容とぴったり合致している。
     最後に、合同誌タイトルが英題含めてかっこよすぎるということと、表紙のすべすべした手触りが最高だということをつけ加えておきます。ぜひ買って、手にして読んで、この感覚を味わってほしい。おすすめです。

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      ねじれ双角錐群『心射方位図の赤道で待ってる』



       待チ人ハ来ズ。
      {だから│されど│そして}
       ぼくらは。


      神待ち——寄る辺ない少女がインターネット掲示板で自分を泊めてくれる存在を探すことを意味したその言葉が、いつしか文脈を逃れ、眠らない街を闊歩する。
      現代、未来、そして別世界に、まだ見ぬ出会いを透視する淡い待望。文芸同人ねじれ双角錐群がSFと幻想の視座から祈りを再定義する第四小説誌!



       サイトはこちら。私はBOOTHにて注文しました。神待ちを待っていたら神待ちは発送されポストに投函された。今回もクオリティ高い面白い作品ばかりでした。電子化期待!

      01『神の裁きと訣別するため』 murashit
       箇条書きいいですね。テンポがいい。インデントも効果的だし、語りかける文体も相まってとても読みやすい。そもそもメインにじゃんけんの三拍子を持ってくる時点で強い。読みながら音楽的な要素を感じ、絶妙なバランス感覚をもって作られている印象を受けました。挿話も好き。なぜかカフカの『門』を思い出したけどたぶんだいぶ違う。

      02『山の神さん』 笹帽子
       安定のボーイミーツガール登山SF。天丼とメタが練りこまれた掛け合いが秀逸で何度も笑いました。神籬のキャラと容姿がよい。追い詰められて補導されたあたりが趣味ど真ん中なので映像化をお願いします。あと無理やり伏線回収してくるとこむちゃくちゃ好き。自然に大正を感じさせる広瀬パートすごいし、神籬パートとのコントラストがうまい。ところで取材のために登山されたという噂は本当ですか。

      03『囚獄啓き』 小林 貫
       サスペンスSF。「ひとやびらき」と読むで合ってますか。どこか海外文学めいた、乾いているのに重い空気感がよい。快感の逆位相を与える発想と、顕現のきっかけがデータの欠落というのが妙にリアルでよい。データ欠落なんかするのか? 一人分の容量が大きければあり得るか、という近未来感。サンプリング対象が老若男女だし事務的すぎて恐れおののきました。牛乳の比喩がなぜか強く印象に残っています。

      04『杞憂』 鴻上 怜
       硬派かつ高密度な北アメリカ大陸SFに突如としてねじこまれるギャル系変態風俗SF。冒頭のルビ多様文体でガツンとやられて読み進めていくと、なにこれすごい……これがギャップ萌えってやつ?(違う) 水虫を始めとする変態マルウェアとか容姿が記号化されステータスになってるのとか好きすぎてお腹いっぱいです。あと人がゴミのように死んでいって震えた。ラストは男子の夢でしょう。窒息死してみたいよね。

      05『キノコジュース』 国戸 素子
       これは……。最近この種のゲーム世界小説(そんなジャンルあるの?)をいくつか読む機会があったのですが、そのなかでもだいぶ異彩を放っている。語り手の行動、語りが突拍子なく、それでいてひとつに執着することがここまでおぞましいとは。苔を食べるくだりが本当に理解できなくてぞっとしました。何だろう私が意味背景を知らないだけ? 本誌中で最も狂気を感じました(褒めてる)。

      06『蟹と待ち合わせ』 cydonianbanana
       冒頭からかっこいい言語構造系SF。入れ替わりながら同じ主体を指す一人称複数語りがよい。精神複合体的なイメージ好き。アクセントが日で変わるのとか。有無を言わさず複数本の足で作業する彼らについて想像させるのたまらない。彼らは意識を仮託された蟹型機械なのか? 蟹型生命なのか?(それ蟹じゃん)ラストは読み切れていないけど謎の感動でした。作者さん褐色おねいさん好きすぎでしょ。

      07『ブロックバスター』 津浦 津浦
       難易度高めでした。まったく繋がりがないように見える複数の語りがひとつのイメージへと収斂していくの好き。それぞれの語りも硬派、ソフト、私小説っぽさ、時折はっとする比喩表現などあり楽しい。フォントで語りの切り替えをしているのだけれど、どこが繋がっているのかもう少しわかりやすいとよりよかったと思います。


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        『アステリズムに花束を』

        宮澤伊織『キミノスケープ』
         廃墟さまよう感じ好き。静かさと風景の描写がよい。姿が見えない百合ってすごいな。

        森田季節『四十九日恋文』
         字数制限設定とこの状況で交わされる他愛ない会話の重み。ライトなのに残る。

        今井哲也『ピロウトーク』
         うん正直何を言ってるかよくわからない楽しい。かわいい。好き。

        草野原々『幽世知能』
         うわあ痛い系どろどろ百合かける異界ものだあー。怖いもの見たさみたいな意味合いで好み。

        伴名練『彼岸花』
         最高か。この短さでよくここまでドストライクなジャンル詰めこんでくるよな。授業のシーンで引きこまれ、終盤ではひっくり返され。本当におすすめなので読め。読んでください。

        南木義隆『月と怪物』
         ソ連百合。pixivの例の企画からの再読。この灰色の世界に立ち上る色彩の美しさよ。横書きと印象が変わるなーと思いながら読んだ。

        櫻木みわ+麦原遼『海の双翼』
         語りかける文体と映像喚起力、ひりひりするような心の機微。ちょっとあの「外せない?」はエロすぎるだろう。

        陸秋槎『色のない緑』
         好きだわー。女子三人が機械翻訳とかディープラーニングについて議論するの。なんかこの本の中で一番知的好奇心がくすぐられた。回想と交互に進む構成もよくて、読み進めるにつれ切なくなる。後半の酒飲むシーンが素晴らしい。

        小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』
         宇宙オペラかける漁業、しかも身長高めゆる巨乳と小柄銀髪ツンデレとか! わかっていらっしゃる! 終電で帰宅中に読みながらにやにやしっぱなしだった。小気味よい掛け合いと、ふいに冷たい引き。最後の最後まではらはらドキドキさせてくれるし、最高かよ。

         ……ということで総じて濃い作品が集結しており、控え目に言って最高なので読んでください。こちらからは以上です。

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          山尾悠子『増補 夢の遠近法 初期作品集』

           濃密だった。幻想・幾何学・湿度。読むのに体力がいる文体で、脳内で映像が結びつかず読み進めるのが困難になり、いったん離れたりしていたら読み終わるのに三ヶ月くらいかかってしまった。
           特に印象に残った作品は以下。

          『夢の棲む街』の重厚なイメージと崩壊。
          『月蝕』これくらいライトだと楽しい。
          『ムーンゲイト』の冷たく尖った空気。
          『遠近法』の構造。
          『パラス・アテネ』の断絶とファンタジー色、繭の映像。
          『童話・支那風小夜曲集』の軽やかさ。
          『透明族に関するエスキス』の圧迫感。

           あとは作品じゃないけど自作解説。もうなんというか、突き抜けてる。

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            戸田鳥『手品師の弟子』『にんぎょばなし』

            『手品師の弟子』
             戸田鳥さんのセルパブ。全体的に物語がしっかりされていて、表現やリズムが耳に心地よい、語りが聞こえてくるような本です。実際にご本人が『恵照と子狸』の朗読をupされていました。
            『オオカミ・ドーナツ』や『恵照と子狸』のようなほっこりするお話もいいのですが、どちらかというと『蜃気楼の街』『迷霧』のようなどこか気味が悪くぞわぞわする話が好み。特に『迷霧』はnoteで読んだときから好きで、勝手に戸田鳥さんと言えばこれ!と思っています。お薦めです。

            『にんぎょばなし』
             こちらは一冊まるまる「どこか気味が悪くぞわぞわする」系。基本的に怪異、異質なものとして人魚を描き、その上で可愛らしさを覗かせてくるのがにくい。『人魚とダンス』が最高。

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              宮内悠介『アメリカ最後の実験』

               近未来(平行世界?)SFミステリ音楽バトルもの。
               直近に読んでいた『彼女がエスパーだったころ』に比べて改行が多く、地の文も短く感じた。テンポがよくて読みやすい。なのに半分くらい読んだとき、まだ半分かと驚いた。単に私が読むのが遅いと言われればそれまでなんだけど、一ページあたりの情報量が多いのではないかと思う。物語の緩急、描写の濃淡、それらのバランスが秀逸で、没入感が半端ない。登場人物が多めなのに、その一人一人の生い立ち、背景までしっかりとスポットが当てられている点もあるだろう。濃密だった。

               多くのひとはアメリカと聞いて何を思い浮かべるだろう。自由の女神? 摩天楼? グレートキャニオン? ラスベガス? 自由で、広大で、華々しくて強い、そんなイメージだろうか。
               この本ではそういった姿はあまり描かれていない。例えば、田舎の、型で抜いたみたいに同じ形の小さな家。中華料理屋やらタバコと酒屋やら、ボロくて小さな店の並んだ区画。人気のない汚れた通り。そこで孤独と向き合いながら暮らす人々。
               作者の描く人物はデビュー作から一貫していて、みな孤独と弱さを抱えながら必死にもがき、前へ進もうとしている。私はその姿に何度も心打たれてしまう。

               個人的に印象的だったのは、脩が試験の前にあるピアノ曲を思い出す下り。「さびれた団地の商店街のワゴンセールで、投げ売られたのを買った」という一文が、ざらりとした背景の手触りを感じさせて良い。あとはマッシモの過去話で、酒屋で酒を包む茶色い紙袋が好きというところ、「わかる」と思った。わかるはずなんかないのに、それでも。

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                米澤穂信『真実の10メートル手前』

                『さよなら妖精』の登場人物、太刀洗万智が大人になり、記者として真実に向き合おうとする姿を第三者の視点で描く短編集。

                 最高だった。『さよなら妖精』が好きなひとに片っ端から薦めたい。とにかく『ナイフを失われた思い出の中に』を読んでほしい。思わずくすりとさせられる、日本語で書かれた英語会話の妙。事件の謎や語り手との会話を通じて明かされる太刀洗女史の姿勢。語り手の、彼女に対する感情の変化と妹の思い出。うまく言語化できないが、通勤中に読みながら危うく涙しそうになってしまった。
                (もし本作を先に読まれた場合は、ぜひ『さよなら妖精』を読んでいただきたい。このお薦め自体がネタバレだけど。)

                 収録されている六編は、すべて太刀洗女史の隣に立つ第三者が語り手になっている。彼女は背が高く鋭い目つきをしていて、基本的に無表情で、冷たい印象がある。そのなかで、時折見せるかすかな笑みに不器用さを感じるし、声を荒げ、思わず感情を表に出す姿が、鮮やかなコントラストを伴って突き刺さる。どの作品でも、彼女の人となりが魅力的に描き出されている。
                 太刀洗女史の直面する事件はどれも救いがない。しかし、事実に向き合い真実を見出だそうとする彼女の姿こそが、ひとつの救いなのではないかと思う。

                 それにしてもこれ、『王とサーカス』より後の話なのね。実は『王とサーカス』今から読むんですよ。完全に順番を間違えた……。

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                  柴崎友香『春の庭』

                  評価:

                  柴崎 友香
                  文藝春秋
                   ¥ 691 
                  (2017-04-07)


                  『春の庭』

                   場所や空間を主題に据えることの多い作者の、場所と空間の話。

                   読みながら違和感があったんだけど、人称がおかしいことが理由だった(解説を読んで再認識した)。登場人物が語るようでいて、途中から不意に視点が移動する。なんとなく幽体離脱ってこんな感じなのかなと思う。見ているはずのないシーンを見ている。その距離感がざわざわする。これは喪失の物語なのだと直感的に思う。けれど何が失われているのか、誰が喪われているのか、はっきりとわかっていない。

                   太郎と西が水色の家に乗り込んでいって、西に対して太郎が「ここまで必死なひとのために何かしなくては」と駆られるシーンは読んでいて可笑しかった。


                  『糸』

                  『春の庭』よりはっきりと喪失を題材にしているが、重点はそこには置かれていない。かといってどこにあるのかが読めていない。ベランダに立つ女を見るシーンは、『見えない』に通じる怖さがある。中盤のイメージと後半の緊張感が印象的だった。


                  『見えない』

                   これも語りに違和感がある。「住人が」という人称は、主体が部屋で、人を部屋の付属物のように感じさせる。これも幽霊のようだ。語り手はスマホを持っていない、ネットに繋いでいない。生活感を取り除かれたマンションの窓の描写が不気味で、図鑑に載っていない謎の木だけがやけに色鮮やかだ。幽霊が幽霊を見る、最後のシーンがすばらしい。


                  『出かける準備』

                   いつもの場所がイベントによって全く異なる場所に変容する。場所を移動することが、そのまま登場人物の心情とリンクしている。こうして書くと当たり前のことのようだが、どうしてこうも新鮮に感じられるのだろう。場所を移り変わる合間に私たちは会い、話をする。そうしてまたそれぞれの場所へ移っていく。登場人物はスマホを操るし、飲み食いするし、幽霊ではなかった。


                   本筋にはあまり関係ないけど購入したのはKindle版です。読んでいたら、未読なのに二箇所ほどマーカーが引いてあってびっくりした。


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                    杜昌彦『悪魔とドライヴ』

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                    Array
                    人格OverDrive
                    ---
                    (2018-03-01)

                     よかった。気づいたら半分過ぎてて、え、ここからどうなるのってなったけど、後半の疾走感に引っ張られ、結末まで目が離せなくて一気に読んだ。
                     不気味で得体が知れない登場人物。歪んだ精神、狂気、どろどろした肉体関係も淡々と描かれていく。どこか諦念を含んだ冷めた視点は作品全体に通じているけれど、特に主人公とヒロインに沿うとき、人物に馴染むように色濃く感じられた。そこからクライマックスに向けて高まっていく危うい熱の対比がすばらしい。

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                      空中映画鑑賞

                      『ブレードランナー』(1982)
                       観たことがなかったので2049より先に観ておこうと。古きよきサイバーパンク。柄が光る傘とか女性の髪型とかに古さを感じたけど、物語自体は全く古くなくて途中からすっかりのめりこんで観ていた。「私たちはどこから来てどこへいくのか」という普遍的なテーマ。サーチライト(広告? 空飛ぶ車のヘッドライト?)でゆらゆらと照らされる廃墟然とした建物の階段、そこを上っていくシーン。最高か。

                      『キングスマン2 ゴールデンサークル』
                       1を観ていないけど問題はなかった。シリーズの途中から観て前作を想像で補って、面白かったら前作も観る、みたいな観方をたまにする。がちゃがちゃしたギミックとアクションとブラックユーモアというかグロ(食事中にはおすすめしない)。正しくエンタメだなーそして正しいエンタメは何も残らないなと思った。めでたしめでたし。

                      『Shape of Water』
                       映像がやや好みではあれど、どストライクではないので個人的には可もなく不可もなくでした。前情報なしで観ればまた違う感想だったかも。でも前情報なしだとたぶん観ないジャンルだ。
                       異形×異形の恋愛ものとか書きたいなと思った。誰もついてこれないタイプの。
                       好きな登場人物はスパイ博士。あとラッキーじゃないほうの猫。

                      『ブレードランナー2049』
                       もう、最高かと。事前に1982を観ておいてよかった。
                       ホログラムとリアルが二重写しになるシーンが好き。指先が微妙にぶれるところに興奮した。
                       傘はやっぱり傘のままなのね、という。でも考えてみると傘ってあれが完成形なのかもしれない。あれ以上進化しないのかもしれない。
                       ハリソン・フォードに対してついつい、「おじいちゃんがピンチだ!」とか、「おじいちゃんがんばれ!」とか思ってしまう。あとは記憶創造研究してる博士が好みでした。
                       音楽は1982と同じだろうか。むちゃくちゃかっこいい。

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